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なめらかな世界と、その敵

なめらかな世界と、その敵

なめらかな世界と、その敵

話題の SF 短編集。面白かった。面白かったのだが・・・いかんせん「まとまり過ぎている」というのが読後に抱いた感想だった。ハイコンテキストな ── SF 好きがニヤリとするような ── 仕掛けも満載で、伊藤計劃トリビュート作品である『美亜羽へ贈る拳銃』なども含めてサービス精神旺盛な一冊だ。個人的には『シンギュラリティ・ソヴィエト』が一番好みで、これはおそらく僕が「人類を超越した知性」が描かれた作品が好きだからなのだろう。『ゼロ年代の臨界点』などは着眼点も良く作家の非凡さを感じられる。しかしそれでも全体的には少し小粒にまとまっている感は否めない。この人が書く長編を読んでみたい。