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船釣りに誘われて海へ行ったら酷い目にあった。

最近読んだ本

なんだかすっかり何を読んだか忘れてしまったので覚えている本についてだけ書く。

ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

  • 作者: スティーグ・ラーソン,ヘレンハルメ 美穂,岩澤 雅利
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2011/09/08
  • メディア: ペーパーバック
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デヴィッド・フィンチャーの映画版が素晴らしかった『ドラゴン・タトゥーの女』の原作。この映画は『ミレニアム』三部作の第一部を映画化したものであって実は続く二部・三部は本国スウェーデンでは映画化されている。当然ハリウッドでも続編を映画化してくれるものと期待していたので、原作を読むのを控えて待っていたのだけど、なかなか続編制作に着手したという情報を聞かないので諦めて原作に手を付けた。

で、この原作であるのだけど大変に面白いのである。スウェーデンでは国民的小説になっているそうだが、それも納得の素晴らしい出来で本当に読むのが止められない。翻訳が良いのか素直な文体と魅力的なストーリーテリングに一瞬で引き込まれてしまった。とにかく異常なほどのリーダビリティを備えており、1 冊あたり 500 ページ超・全 3000 ページにも及ぶ三部作であるが殆ど休みなく読み続けてしまった。個人的には最後に一部納得出来ない点もあったのだが、それでもやはり傑作というに相応しい見事なエンタメ作品である。第一部『ドラゴン・タトゥーの女』は孤島を密室に見立てた殺人事件と政治経済ネタにサイコスリラーを絡め、そこにリスベッドという魅力的なキャラクタを立てて成立しているミステリであり、この時点で既に傑出したストーリーテラーとしてのスティーグ・ラーソンの実力には疑いようも無かったわけだが、むしろ驚くのは第二部以降で徐々につまびらかにされていくリスベッドの秘密と、彼女を巡って繰り広げられる政治的サスペンスの圧倒的な盛り上がりだろう。ジャーナリストであり左寄りの思想を持つ反人種差別主義者であった作者が描きたかったのはむしろこちらであったのだろうと思われ、手に汗握る展開に読者はページを繰る手を止められない。ジャーナリズムとハッキングという現代的な道具立てで解決された第一部から、第二部ではアクションを中心とした警察ドラマ、そして第三部では遂に国家を巻き込んだ壮大なリーガル・ミステリが展開され、ここに至って孤独に闘い続けていたリスベッドを理解し、支えてくれる人々が次々と現れるに至ると盛り上がりは最高潮に達する(何だかもう涙なしには読めない)。

三部作を通じて通奏低音のように響き渡る女性蔑視──ひいては差別への反感が描かれており、それは主人公であるミカエルとエリカの関係にも、作品の至るところに現れる差別を受ける対象となっている人々にも表れているが、とにかく作者の想いが伝わってくる強い小説となっている点も作品の魅力である。エンタメ/ミステリとしてではなく、これは多分に思想的な小説でもあるのだ。途中明らかに次作への伏線であると思われる点がいくつか出てくるので作者が存命であればきっと続編が書かれたのであろうが、それを読めないのは本当に残念なことである……。しかし未読の方はとにかくこの圧倒的エンタテイメントを是非読んで体感してもらいたいと思うのだった。

MOMENT (集英社文庫)

MOMENT (集英社文庫)

つっまんねぇ……。どこを読んで欲しいのかさっぱり分からん。デビュー当時に書いていた青臭い小説を書くのは恥ずかしくなっちゃって、でも違う芸風も開拓出来ず、かと言って元に戻るわけにもいかずに中途半端に適当に書いたという印象しか残さない。何も無い。いつか復活してくれると期待して読み続けてきたが、流石にもう読み続けるのが苦痛になってきた。

know (ハヤカワ文庫JA)

know (ハヤカワ文庫JA)

面白い。電子葉という補助的な外部脳が一般に普及した世界に「全知」の人間が現れ衆生を救う──というのは少し言い過ぎかもしれないが、面白い設定であることは確かだ。いささかやりすぎている点も幾つか見当たるが、これは映像化に非常に向いたコンテンツであるなぁと思った(恐らく作者もそれを意図しているのだろう)。アニメ映画にでもなったら面白いだろう。