Usotsuki Online

Do you believe in the magic of make-believe ?

ちょこちょこ業務と並行して技術調査をしているんだけど、明らかに手が足りていなくて人をスカウトしたい。明日以降えらい人に相談してみようかなと悩む平日。

量子怪盗 (新★ハヤカワ・SF・シリーズ)

量子怪盗 (新★ハヤカワ・SF・シリーズ)

かなり人を選ぶ作品だとは思うけど面白かった。高度に発達したテクノロジにより精神すらアップロード可能となった世界で、監獄に精神を閉じ込められていた伝説の怪盗ジャン・ル・フランブール。彼を監獄から救い出した少女が依頼してきたのは、彼の「過去」を盗むことだった──といった感じの作品で、ポストサイバーパンクの世界を背景に量子テクノロジや魅惑的なガジェットが次々と飛び出てくる。スペースオペラよろしく宇宙空間での追跡劇があるかと思えば、他方では怪盗と対峙する気鋭の青年探偵が現れたり、少女がとんでもないテクノロジを使って迫力ある戦闘を繰り広げたりする(なんたって彼女は可愛らしい身体に超小型核融合炉と q ドットガンを装備しているのだ)。とにかく異質な世界観であり、しかもそれらの内容は殆ど説明されない。冒頭から「偽神」「精神共同体」「有知能物質」「機能性霧」など何のことか分からない用語がどんどん出てくるのだけど、しかしそれらがリーダビリティを損なわないという事実には驚くしかない。読み進めていると自然と物語世界に馴染んでいき、途中からは何の違和感も感じず物語に没入することになった。怪盗モノでありスペースオペラであり、とびきり濃厚でディープな SF 成分に満ちた作品だった。