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春のような陽気で旅に出たくなる。「冬の間は温泉ぐらいしか行く気になれない」なんて思ってたけど、南の島でのんびり過ごすのもアリだなぁなどと思いながら本を読んで過ごした。

ミストボーン―霧の落とし子〈1〉灰色の帝国 (ハヤカワ文庫FT)

ミストボーン―霧の落とし子〈1〉灰色の帝国 (ハヤカワ文庫FT)

少し前に夢中になって読んでいたのがブランドン・サンダースンの『ミストボーン』シリーズ。全 3 部作で日本では 9 分冊して発売されている。とにかく寝る間も惜しんで読んでしまうほど面白くて頁をめくる手が止まらなかった。魅力的なキャラクタと世界設定、「サンダースンの雪崩」と呼ばれる怒濤の展開。巧妙に張り巡らされた伏線が一斉に紐解かれてゆく終盤の興奮と言ったら!最終作『ミストクローク』の結末には思わず唸ってしまった。

この作品は一貫して主人公の少女であるヴィンの成長譚として読むことも出来るけれど、それに呼応するかのように「世界」そのものも拡がってゆくのが気持ち良い。ヴィンの目線が上がる度、『ミストボーン』の世界はそれまで想像も出来なかった新しい姿を見せてくれるのだ。

また、作品で使われている合金術と呼ばれる力の設定も実に素晴らしい。合金術の世界ではあらゆるものがバランスで成り立っている。「押し」と「引き」の設定だけでこれほどアクロバティックで迫力ある戦闘シーンが作り出せるのかと驚くしかない。恐らく作者自身も意図しているのだろうけど、非常に映像映えする設定となっており 3 部作のそれぞれに「あぁこれ映画化されたら素晴らしいシーンになるだろうなぁ」と思わせるような見所が沢山用意されている。

シリーズを読み進める毎に登場人物達に対する愛着が湧いているのが自分でも分かって、全て読み終える頃には半ば放心状態だった。お腹いっぱいになるまでファンタジーの素晴らしさを堪能出来た。サンダースンはこの『ミストボーン』シリーズの数百年後の世界を描いた物語『Mistborn: The Alloy of Law』を発売しているようなので、是非こちらも邦訳して頂きたい。