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Do you believe in the magic of make-believe ?

SDIM0445

朝起きてから『屍者の帝国』を読んだ。伊藤計劃円城塔が思った以上に融合していて驚く。円城塔は相当に伊藤計劃をリスペクトしているんだろうと思わせる出来になっていた。両者の才覚はそれぞれ別のところで発揮されているため、伊藤計劃の遺稿を引き継ぐという作業は円城塔にはツラいものであっただろうと容易に想像出来るけれど、それをここまで見事にやり通したということについては畏敬の念を禁じ得ない。とはいえ、では間違いなく傑作かと問われると難しい。『From the Nothing, with Love.』『虐殺器管』『ハーモニー』で語られてきた「意識」と「言葉」についての問題を、円城塔は書き継いだ。それは間違いない。間違いないけれど、出来る限り伊藤計劃のやり方を踏襲しても書き手の違いは顕れる。エンタメではなく SF として、細部よりも構成を以て、形而下よりも形而上の物語として本作のテーマは描かれた。それ自体は仕方のないことだけれど、伊藤計劃のあの遺稿を読んだときの興奮は──エンタメとしての楽しさは──は幾分か削がれている点は否定出来ない。些か冗長で緩慢な展開もそれを助長している。とはいえ最後の展開にはやはり感動してしまったのだけれど。

屍者の帝国

屍者の帝国

昼食を作り、靴を磨き、夕方からは友人と『プロメテウス』を観に行った。映画は予想外の内容で大失敗。『エイリアン』のようなグロテスクな映画は苦手だ。モチーフが余りにも醜悪で見るに堪えない。特に異分子の子を孕むといった類のものは倫理的に問題があると思うし好きではない。