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SDIM0372

駅を出てエスカレータに乗ると、眼下にひしめく人々が重なり合って鮮やかなモノグラムを描いていた。

雷雨のなか広尾まで出掛けて散髪し、新宿に移動して会社の同僚と三人で『桐島、部活やめるってよ』を観た。原作未読だけど映画は凄く面白かった。今年観た中でもベストかもしれない。紀伊國屋書店でまたしても本を買い込み(もう部屋が本で埋もれそう)、ご飯を食べて解散した。

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

帰宅してから『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』を読んだ。戦争やテロのような理不尽な暴力により、大切なものを喪ってしまった人達の物語。部分的にビジュアルライティングの手法が採られているのが興味深い。ときどき挿入される写真や、手帳や手紙を模した表現(例えば手帳の余白が無くなるにつれ文字は小さく、文字幅は狭くなってゆく)は、言葉だけでは零れ落ちてしまう登場人物達の心の叫びをより切実に顕わにする。ユーモアを交えつつ種々の叫びをナラティブに描くこの作品を読んでいると、自分たちが所在を曖昧にして気付いていないふりをしている沢山の物事──喪ってしまったものや傷ついているという事実、或いは逆に傷つけてしまった人達のこと──を思わずにはいられない。強い物語だった。