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いつか王子駅で (新潮文庫)

いつか王子駅で (新潮文庫)

23 時前に退社。昨夜はお風呂に入ってから、堀江敏幸『いつか王子駅で』を読んだ。読み終えてから何気なく辞書を眺めていると没頭してしまい、気付けば 27 時近くになっていた。日本語って美しいよね、と思う。

キャリア形成に自覚的な人は一定数居るわけだけど、そういう人を見て凄いな、羨ましいなと思うのは嫉妬しているのだろうかと考える。多分嫉妬している。キャリア形成に自覚的な人達はおおよそ生きることに対する熱量が凄い。劇団に所属して毎日舞台稽古をしている人達を見ても同じことを感じる。彼らを観るとやはり熱量に圧倒される。僕はずっと「生きていく上での熱量の多寡というものは、持って生まれた才能みたいなものだな」と考えていたけれど、きっと違うんだろうなとも内心思っていて、恐らくそれは「覚悟の差」に他ならないのだと最近は思う。「この仕事で生きていく/キャリアを築く」あるいは「役者として生きていく」という覚悟。僕は勉強にしても運動にしても芸術にしてもそれなりにこなせる器用貧乏なタイプなので、「やろうと思えば何でも出来るだろう」とずっと思っていた(お酒は飲めないけどね)。数多ある選択肢から何かを選び取ることから逃げ続け、「覚悟」を決めず、誰かの求める役割を為してきた。そしてそれが出来た。そこに主体性はなく、惰性で緩慢に生きているに過ぎない。だから「覚悟」を決めた人達に対して抱くのは憧憬であったり嫉妬であったり後悔だったりするんだろう。

まぁ、この沸点の低さも自分だなぁとも思うので、今更変えたいとも余り思わない。働くことは大好きだけど、それは僕が働くことによって誰かの役に立てることが心底嬉しいからで、仕事を通じて有名になりたいとか、もっとお金を稼ぎたいという欲はまるで無いし。けれどやっぱり、主体的に生きる人達には憧れる。時折それを感じて苦しくなる。隣の芝は果てしなく碧いという情けないお話でした。