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Do you believe in the magic of make-believe ?

昨夜は 3 時頃まで本を読んでいて、起きたら 10 時半を過ぎていた。いつもの通りコーヒーを淹れて本を読む。庄司薫『さよなら快傑黒頭巾』を読んで感動。構成が見事で圧倒される。主に理想と倫理について描かれてきたこれまでの 2 作と異なり、今作では薫が理想をつらぬくための戦場──人生という名の兵学校──が描かれている。今作の主な登場人物である山中も中村も、かつては理想に燃えた学生であったが、薫が目の当たりにするのは彼らが夢破れ現実との折り合いをつけて「大好きな快傑黒頭巾と別れる」ことになったという残酷な結果だ。しかしそんな現実──やがて自らが闘うことになるであろう戦場──を前にして、それでも薫は前に進もうと決意して作品を結ぶ。朝靄の中で輝く薫の意思が、青春の瑞々しさが美しい余韻を残す素晴らしい作品になっていて傑作だと言って良いと思う。

小雨が降る中、午後は広尾まで散髪に出掛けた。そのまま六本木で友人と合流して『おおかみこどもの雨と雪』を鑑賞。とても素敵な映画だった。前半は印象的なカット割りも多く、おおかみこどものふたりは猛烈に可愛いくて「あぁもうストーリーが面白くなくても良いや」と思えちゃうぐらい。作画もすごい。水の表現なんかは特に素晴らしかった。最終盤で花が「生きてっ!」と叫ぶシーンがあって凄く胸を打たれた。様々な悩みと向き合いながらも自らの意思で力強く歩いて行く雨と雪の姿。そして彼らを温かく見守り続ける花。ひとつの家族の十数年間を冷静に描写した映画だった。

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ところで DP2 Merrill の話。カメラにも写真にもまるで詳しくないので素人目線で数日使ってみた感想を書くと「描写は素晴らしいが使いづらい」に尽きる。そもそも描写の素晴らしさに惹かれて買ったのでまぁ仕方ないのだけど、まさかここまで晴れの日専用カメラだとは思わなかった。決して気楽なスナップ用のカメラではない。例えば今日は曇天だったけれど、手持ちで ISO 200 程度で撮影するとブレまくる。夜間撮影などは三脚なしではほぼ不可能だと思う。それからこのカメラは SIGMA Photo Pro という専用のソフトウェアで現像する必要があるのだけど、これが低機能・低品質でストレスが溜まる。傾き補正も出来ないし、動作は恐ろしく重く頻繁に落ちる(RAW データが重いのも影響しているのだろうけど)。SIGMA にはもう少しどうにかしてほしいところ。